去る十月二十七日~二十九日の三日間、大本山永平寺東京別院にて、御征忌・法脈会に友人と参加。一〇五歳の宮崎奕保禅師様に会えるということもあって大勢の人が参列しました。

どの法会も厳かに挙行されましたが、なんといっても「生き仏様」と敬慕される禅師様がお出ましになる時、又お話される時は、本堂は一層シーンと静まりかえり、張り詰めた雰囲気になりました。一言一言聞き漏らすまいとかたずを呑んで聞き入っていました。

最初のご垂示、「朝起きたら、おはようございます、と挨拶する。毎朝仏壇でご先祖さまに感謝をこめて合掌する。線香は真直ぐ立てる」と平易な言葉で話されます。言葉は平易であっても毎日実行出来るかなと猛省。
禅師様は車椅子でしたが、超高齢にも拘わらず毎日法会を勤められました。線香が曲がっていると真直ぐするように注意される程に、全身気が漲っておられるご様子。どこからあのパワーが出てくるものかと驚嘆しました。戒を授けられたあと、「この戒弟名簿は冥土のおみやげにします。ありがたく頂戴します」と、丁重に受け取られました。聞いているうちに、目がしらが熱くなり、感極まって思わず合掌。

禅師さまがお帰りになる時、「触らして」と女性たちがどーとかけより、周りの人をドキドキさせる場面もありました。終始笑顔で答えられ、その笑顔は無邪気な童子のよう。ほのぼのとあたたかい慈しみあふるる眼差ざし、実にさわやか、澄んだ目が印象的でした。心の奥深く光をあてていただいたようです。

禅師様にはいつまでもご壮健で、又再会を願って総出でお送りいたしました。この三日間は、誠に身心ともに洗われたお授戒となりました。今後は戒弟として恥じぬ生活を目指す決意を新たにしているとろです。
(平成十七年十月二十九日)