飛鳥大仏から奈良大仏へ 平井満夫

今年の奈良は平城京遷都千三百年で賑わいを見せているであろう。我々翠風講ではこれに先立って昨年の旅行会で奈良を訪れた。平城京跡に復元された朱雀門に立って、折から復元中の巨大な大極殿を遥かに眺めると、その傍を走り抜ける近鉄電車との対照が、なんとものどかな情景で私には印象的だった。

さて今年、私は明日香の里に日本最古の寺、飛鳥寺を訪ねてみた。四月十八日、幸い気持よく晴れ上がった日だった。大阪から近鉄電車で小一時間。橿原神宮前駅に着く。西にそびえる小高い山が畝傍山だ。新緑が鮮やかだ。駅からバスで東へ向かう。村の細い道を縫う様に走ること約十五分、飛鳥大仏というバス停で下りると目の前の平地に飛鳥寺があった。意外に小じんまりとした佇まいである。早速大仏さまにお参りする。高さ五メートル位の釈迦如来坐像である。六世紀の末に作られたというこの日本最古の釈迦像のお顔は、悟りの境地と言うよりは人類の苦を一身に飲み込まれた様な、極く人間的なお顔と拝見した。(写真)鼻筋が通って高く、どう見ても東洋人の顔ではない。お釈迦様はアーリヤ人だったということを作者は意識していたのであろうかなどと思った。

飛鳥大仏 飛鳥寺にて

同じ大仏でも昨年お参りした奈良東大寺の大仏は廬舎那仏で