日々好日  菊地豊

昨年の12月愛知県春日井市に引っ越してきました。老後はのんびりと田舎で暮らしたいと思っていたので古希を迎えるにあたり思い切って家内と二人で引っ越してきました。当面三分の一は東京で生活しなければなりませんが、新鮮な空気と緑多い今の環境に満足しております。朝八時起床、一時間程ウォーキングして汗をかいています。土・日曜日は、近くの山に登ったりして足腰の衰えを防いでおります。狭い庭を畑にして夏野菜を栽培し、近所に差し上げて喜ばれています。
ご近所も今は子供たちが独立し夫婦二人暮らしが多く、お互いに助け合って生活をしております。
昨年人間ドックの検査で前立腺の肥大が見つかり、今年の五月に前立腺を摘出しました。術後の経過は順調ですが、前立腺の摘出による体のバランスの崩れは体全体に影響を及ぼしております。疲れやすかったり風邪が長引いたりと、思いがけないところに影響が出始めています。一日一日を大切に体に気を付けて生活を楽しんでいこうと思っています。
今年の一月四度目のブータン旅行に行ってきました。三年前に訪れた時は新鮮な感動を覚えましたが、四度目にもなると感動する機会が少なくなりました。しかしブータンの暮らしぶりを覗いたり、最近日本でもテレビや新聞・雑誌などで取り上げられている国民総幸福度(GNH)について話し合ったり、とても有意義な旅行でした。
ブータンの国民は九十七%が幸せと感じているそうです。ブータンのティンレイ首相は「幸福とは、すべての人間が自然に目標とすべきものであり、国民総幸福度は幸福の度合いがどれくらい進んだかにより、進歩を測ります。 個人の欲求は単に、身体が求めるものだけではなく、同時に心の在り方に注目を払わなければいけない、すなわち幸福の実現は私たちが慎重に、物質的なものと精神的なもののバランスを図り、初めて達成できるのだという考え方です」と言っています。
ブータンの国民総幸福度は四つの柱からなっています
一. 持続可能かつ公正な社会経済開発
二. 我が国の脆弱な山岳環境の保護
三. 伝統文化の保護と振興
四. よきガバナンス
国民総幸福度の四つの柱はさらに九つの領域にわかれています
一. 基本的生活
二. 健康状態
三. 教育と教養
四. 環境の多様性と弾力性
五. 伝統文化の多様性と弾力性
六. 地域社会の活力
七. 時間の使い方
八. 精神的幸福
九. ガバナンスの質
さらに七十二項目で測定しています
ブータンでは二〇〇五年に国民幸福度を国政調査で行った結果、「そんなに幸福ではない」と答えた人が三%、「幸福だ」と答えた人は五十二%、「とても幸福だ」と答えた人が四十五%でした。ブータンの幸福の度合いは九十七%と高いものです。
ブータンは日本に比べて物質面では大変大きな格差があります。テレビ、洗濯機、冷蔵庫は数年前から一般家庭に普及され始めました。最近では携帯電やパソコンの普及が著しく伸びています。車もローンで買う人が増えています。インド資本のスーパーマーケットでは沢山の輸入品が売られています。国民の考え方や価値観にも変化が生じています。所得の格差はますます広がって来ています。国民幸福度も二〇〇五年の調査時と比較して著しく変化があると思います。ブータンを旅行して、家族を大切にし、友人を大切にし、仏教を深く信仰しているブータン人から「吾唯足るを知る」を教えられます