今年の翠風講旅行会は、飛騨古川に円空仏を訪ねることにしました。五月二十八日午前十一時過ぎ名古屋駅に集合、十一時四十三分発の特急飛騨に乗り込みました。みんなが固まって座席に落ち着くと、久しぶりの再会と旅立ちの期待で浮き浮きした気分になります。天気は快晴。列車は岐阜で向きを変え、高山線に入り飛騨川の渓流に沿って遡って行きます。新緑の山並みが目に沁みます。高山の手前飛騨一宮のトンネルを抜けると、ここが分水嶺で、今度は水が日本海に流れる宮川沿いにゆっくり下って行きます。高山でローカル線に乗り換え十四時四十分予定通り飛騨古川着。

駅には宿舎蕪水亭のお女将さんが出迎えてくれました。荷物を車に預けて町を散策することにしました。ここは高山に似た城下町ですが、人の往来は少なく落ち着いた雰囲気です。昔ながらの町並みがそのまま残っていて何とも懐かしい感じです。白壁の土蔵に沿って流れる小さな川には大きな鯉が泳いでいました。樹齢七百年という大銀杏の新緑が青空に輝いて見えました。まつり会館で名物の起こし大鼓の祭りのビデオを見て、目的地の蕪水亭に入りました。

ここは宮川と荒城川の合流点にあり、古川の老舗旅館です。古民家を改造した様な作りで中々味があり、座敷から眺める川の景色は抜群です。入浴の後、一同会食。お女将さんの丁寧なご挨拶に始まり、心のこもった御馳走を頂きました。菊地さんは三十年位前から何度か泊まられたことがあり、その思い出話しも印象的でした。町の名酒蓬莱も中々のものでした。宴のあと「一水の間」に集まり翠風講恒例の話し合い法座を開き、みなさん思い思いに感想を語り合いました。午後十一時解散、床につきました。

二日目は宿屋で用意してくれたマイクロバスで午前九時半出発です。(写真)温かいおもてなしを受けた蕪水亭のみなさんが手を振って見送ってくれました。間もなく、古川の町はずれ、国府町にある清峰寺に到着。重要文化財の円空仏三体を拝観しました。この寺は曹洞宗ですが、無人寺なので、この町の住民が、全員浄土真宗なのにも拘わらず、交代で寺を管理しているそうです。感謝に応えるつもりで、浄土真宗蓮如上人の御文章を読経しました。

続いて千光寺です。ここは高い山の上にあります。バスはどんどんと急な山道を登って行きます。寺域の広さに驚かされます。本堂の傍にある円空仏寺宝館で円空作の仏像を拝観しました。約三百年前のことですが、円空はこの寺に暫く滞在していたそうで、その関係で多くの仏像が残っているそうです。本堂で御住職様と般若心経をお唱えし、寺を辞しました。正午過ぎ高山市内の三之町に到着、マイクロバスに別れを告げて一同は蕎麦の昼食を済ませました。外人観光客で賑わうこの界隈を暫時散策し、高山駅に向かいました。十四時三十九分発の特急飛騨に乗車、二泊組の五名は途中下呂にて下車、一泊組三名はそのまま名古屋へと二手に別れました。

下呂では旅館「みやこ」に投宿しました。ここは温泉街を通り抜けた高台にあり、緑の庭木に覆われてこじんまりとたたずむ静かな、心休まる宿でした。早速温泉に浸かって疲れた体をほぐしました。夕食は見た目も美しい懐石料理で、一同時間をかけてゆっくり楽しみました。

三日目の朝も幸い清清しい好天気です。荷物を宿屋に預け、宿のすぐ上にある「合掌村」に行きました。ここは白川郷あたりから合掌作りの民家を移築してそこここに配置した野外博物館です。ここにも円空館があり、円空の生涯を時系列的に追跡調査したビデオがあり、大いに参考になりました。十四時十八分発の特急飛騨で下呂に別れを告げ定刻通り名古屋着、ここで一同解散しました。幸い三日間五月らしい晴れやかな天気に恵まれ、楽しい旅でした。参加者は以下の通りでした(敬称略)。

(二泊組)石井重夫、大石くすみ、関根章雄、高橋勝、平井満夫

(一泊組)菊地豊、小松勝治、星一二、